定山渓の人々 #001
定山渓の温泉まんじゅう
大黒屋商店 代表
本間 幸子さん
定山渓温泉街にある老舗の温泉まんじゅう店。3代に渡り受け継いできたまんじゅうは、しっとりとふかふかで何個でも食べてしまう美味しさ。定山渓の名物スイーツを作る、店主の本間幸子さんに美味しさの秘密を伺いました。
90年以上に渡り守り続ける老舗の味
大黒屋商店は昭和6年(1931年)に創業しました。90年以上に渡り看板を守り続け、現在は3代目に嫁いだ私が引き継いでいます。始めは焼き菓子やひょうたん飴、木彫りなどの民芸品の販売も行っていましたが、平成9年(1997年)に3代目の主人が亡くなってからは、温泉まんじゅうのみを製造。創業以来変わらず同じ場所、同じレシピで温泉まんじゅうを作り続けています。宿泊客の動きに合わせて朝8時には販売を始めていますが、午前中には完売してしまうことも多いので、早めに立ち寄っていただくのがおすすめです。
温泉まんじゅうは、その日の朝に蒸かしたものしか売りません。添加物も一切使っていないため、賞味期限は3日。沖縄産の黒糖入りの生地がこげ茶ではなく薄い茶色なのは、添加物を使っていない自然な色の証拠ですよ。先代からは『絶対に味のランクを落とすな』と言われ、守り続けているこだわりの味なので作り方はずっと変わりません。
生地を作り、餡を包んでから冷凍庫で1日寝かし、次の日に蒸すことで皮のしっとり感がでます。生地で餡を包む作業を現在は機械で行っていますが、「定山渓」の焼き印やフィルムに包む作業は一つひとつ手作業で行っています。
変わらぬ味を4代目へつなぐ
一度私が体調を崩したことがきっかけで、外で働いていた息子が戻ってきて、現在は4代目として働いています。息子がいることで、ボイラーなど機械が故障しても直してくれるので、本当に助かっていますよ。私が40年以上前にお嫁に来た時とは定山渓の景色もだいぶ変わりましたが、今後もこの場所でこの温泉まんじゅうを作り続けます。そのためにも、コロナが収束し早く定山渓に賑わいが戻ってきてほしいですね。
定山渓の温泉まんじゅう
大黒屋商店 代表
本間 幸子さん
昭和54年に3代目に嫁ぎ、平成9年に3代目が亡くなってからは店主に。先代から3代に渡り変わらぬ味を守り続け、大黒屋商店を40年以上支えている。
大黒屋商店
TEL 011-598-2043
公式サイト