自然散策路「二見・定山の道」のいこいの広場よりさらに歩を進めると、右手にいこい橋(薄別林道入口にかかる橋)が見えます。橋を渡らず、豊平川上流方向に直進して行き当たるところが、景勝地『赤岩の澗※』を包含する『親水公園』です。
『親水公園』は、さほど大きな公園ではありませんが、春から夏にかけては山野草の宝庫となり、秋の紅葉シーズンには『ハウチワカエデ』の多い親水公園は、筆舌に尽くしがたい異彩を放つ穴場スポットとなり、冬になると広がる雪原はスノーシュー散策の絶好のフィールドになるなど、自然の驚異が凝縮されていると言っても過言ではないくらい、訪れる人の目をみはらせる場所です。
※「澗」は俗字。正しくは「澗」の字は元々(本来)はもんがまえの中は「日」ではなくて「月」で、谷川の意味です。
春の秘祭と山野草の楽園
雪の残る早春には、水たまりに『エゾサンショウウオ』が集まり、秘祭ともいわれる生殖活動を繰り広げます。そうした場面には出会いたくとも、なかなか出会うことができませんが、ここでは毎年見ることができるのです。雪解けとともに、『カタクリ』や『エゾエンゴサク』の花々も可憐に咲き出し、『ニリンソウ』や『エンレイソウ』の仲間をも次々と目覚めさせ、公園全体がまるで春の妖精たちの舞踏会場のようになります。5月から6月には、『イチヤクソウ』の仲間や『タチカメバソウ』、『ナンブソウ』、『ツマトリソウ』、『コミヤマカタバミ』等々、高山帯のなじみの顔が、みんなで引っ越ししてきたかのように咲き出します。
『マイヅルソウ』、『ヒトリシズカ』、さらには『サイハイラン』などランの仲間も多く見られ、この季節の親水公園は、山野草の楽園となり、まさしく驚異的です。
一年中野鳥の観察が可能
山野草だけではありません。鳥たちも多く見られます。『シジュウカラ』をはじめとするカラ類や、『シマエナガ』、『ヤマセミ』、『クマゲラ』、などの留鳥、『オオルリ』、『キセキレイ』などの夏鳥、『ツグミ』、『ヒレンジャク』などの冬鳥が入り乱れて飛び交います。もちろん『オジロワシ』や『クマタカ』、『オオタカ』などの猛禽類も飛翔しています。
親水公園付近で見られるその他の山野草や野鳥
山野草:ツクバネソウ、フタリシズカ、ルイヨウショウマ、キンセイラン、サカネラン、トケンラン、クゲヌマラン、ノビネチドリ
野鳥:アカゲラ、コゲラ、カワガラス、ミヤマカケス、キビタキ、イソシギ、ヤマシギ、ミヤマホオジロ、キレンジャク
インフォメーション
- 所在地
- 札幌市南区定山渓
カテゴリ
- エリア
- 定山渓
- 区分
- 観光, 自然, フォトスポット
- 施設
- 散歩, 水あそび
- 設備
- 公園, 散策路, 景観